聖の行くべき道
今野 大力
そこはねずみも歩かない
歩くべきではない
ひじりの行くべき道である
空は明るく明るく
まひるの如くに明るい
一しきり降っていった雪は
野に山に路に庭に
夢見る様に積もっている
雪は白い何よりも白い
きよめられたる様に白い
天と地の合体の風景である
包む夜は厳に静かな
しらべをひ
っ
(
(ママ)
)
ている
*
ひじりの為めに
撒
(
ま
)
いた敷物は
けがれる事を恐れている如くである
出典:青空文庫(
https://www.aozora.gr.jp/cards/001471/files/55585_56368.html
)
青空文庫の奥付
底本:「今野大力作品集」新日本出版社
1995(平成7)年6月30日初版
初出:「旭川新聞」
1924(大正13)年3月31日
入力:坂本真一
校正:雪森
2015年3月8日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、
青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)
で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
keyboard_double_arrow_left
menu