頌歌
富永 太郎
鋼
(
はがね
)
の波に
アベラール沈み
鉛の
艫
(
とも
)
に
エロイーズ浮む
骸炭は
澪
(
みを
)
に乗り
直立する彼岸花を捧げて走り
『死』は半ば
脣
(
くち
)
を開いて 水を恋ひ
また
燠
(
おき
)
を
霊床
(
たまどこ
)
とする
すべては 緑礬のみづ底に息をつく
象牙
球
(
だま
)
の腹部の
内
(
うちら
)
側に
出典:青空文庫(
https://www.aozora.gr.jp/cards/000678/files/55474_51569.html
)
青空文庫の奥付
底本:「富永太郎詩集」現代詩文庫、思潮社
1975(昭和50)年7月10日初版第1刷
1984(昭和59)年10月1日第6刷
底本の親本:「定本富永太郎詩集」中央公論社
1971(昭和46)年1月
初出:「山繭 第四号」
1925(大正14)年3月
入力:村松洋一
校正:Juki
2013年10月6日作成
2014年3月7日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、
青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)
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