さかほがひ
上田 敏
一
阿古屋
(
あこや
)
の珠を
溶
(
と
)
きたる酒は
のこさで酌まむ。
ほせよさかづき
ほせよ、ほせよ、
觴
(
さかづき
)
。
のめや、うたへや、
うたへや、のめや。
あゝ、おもしろ
あゝ、おもしろの
さかほがひ。
二
薫
(
かをり
)
はたかき
さゆりの花は
かざしにさゝむ。
たをれ、かざしに、
たをれ、たをれ、
(
かざし
)
頭に
のめやうたへや、
うたへや、のめや。
あゝ、おもしろ、
あゝおもしろの
さかほがひ。
三
色さへ
香
(
か
)
さへ
妙
(
たへ
)
なるひとを
あかずもこよひ
みるが樂しさ、
みるが、みるが樂しさ。
のめや、うたへや、
うたへや、のめや。
あゝおもしろ。
あゝおもしろの
さかほがひ。
出典:青空文庫(
https://www.aozora.gr.jp/cards/000235/files/55232_50054.html
)
青空文庫の奥付
底本:「上田敏詩集」玄文社詩歌部
1923(大正12)年1月10日発行
入力:川山隆
校正:岡村和彦
2013年1月22日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、
青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)
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