ねたみ
末吉 安持
つぶやきぬ。
『ああうたて「夢」を飾りし世の
宝
(
たから
)
手玉も、花も
薫陸
(
くんろく
)
も
有りのことごと朽ちはてぬ、
あはれ死なまし。』
またうめく。
『ああうたて、恋も、まことも、愛楽も
蒼蠅
(
さばへ
)
羽
(
は
)
ならし飛びめぐる
腐肉
(
ふにく
)
にまとふ
温気
(
うんき
)
のみ。』
ほと息づかひ。
けしきばみ、
『
男子
(
おのこ
)
とはたをやの髪の一一に
憑
(
よ
)
りては移る
風病
(
ふうびやう
)
ぞ。』
つと見ゆ、青きまなじりの
さびしき『ねたみ。』
出典:青空文庫(
https://www.aozora.gr.jp/cards/001607/files/54505_67315.html
)
青空文庫の奥付
底本:「沖縄文学全集 第1巻 詩
」国書刊行会
1991(平成3)年6月6日第1刷
入力:坂本真一
校正:フクポー
2019年2月22日作成
青空文庫作成ファイル:
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