悒鬱な花
森川 義信
はながさいてゐる
目をつむつてぼくは見てゐる
はなびらは
色
(
いろ
)
をうしなひ
あを白くうなだれて……
はななれば はなのやうに
なぜ笑はないのだらう
はながさいてゐる
目をそつとつむると
いつでも黙つてさいてゐる
背中をむけて 向ふを向いて
悒鬱な花よ 匂ひのない――
花ならば 花のやうに……
出典:青空文庫(
https://www.aozora.gr.jp/cards/001652/files/54389_62853.html
)
青空文庫の奥付
底本:「増補 森川義信詩集」国文社
1991(平成3)年1月10日初版発行
入力:坂本真一
校正:フクポー
2017年9月24日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、
青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)
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