岩清水
萩原 朔太郎
いろ青ざめて谷間をはしり、
夕ぐれかけてただひとり、
岩をよぢのぼれるの手は
鋼鐵
(
はがね
)
なり、
ときすべて液體空氣の觸覺に、
山山は
茜
(
あかね
)
さし、
遠樹
(
とほき
)
に光る、
わが偏狂の銀の魚、
したたるいたみ、
谷間を走りひたばしる、
わが哀傷の岩清水、
そのうすやみのつめたさに、
やぶるるごとく齒をぬらす、
やぶるるごとく齒をぬらす。
出典:青空文庫(
https://www.aozora.gr.jp/cards/000067/files/53624_44266.html
)
青空文庫の奥付
底本:「萩原朔太郎全集 第三卷」筑摩書房
1977(昭和52)年5月30日初版第1刷発行
1986(昭和62)年12月10日補訂版第1刷発行
入力:kompass
校正:小林繁雄
2011年6月25日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、
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