玩具箱
―人形及び動物のいろいろとその生活―
萩原 朔太郎
朝
青い服をきた獵人が、
釣竿のやうな
てつぽう
をかついで、
わん、つう、わん、つう、
この
へん
にそつくりかへつた主人のうしろから、
木製のしなびきつた犬が、
尻尾のさきをひよこつかせ、
わん、つう、わん、つう。
夕
さむしい Hotel の臺所で、
のすたるぢやのメリイが泣いて居る、
ほんのり光る玉菜のかげから、
ぜんまい仕かけで、
鼠がひよつくり顏を出した。
出典:青空文庫(
https://www.aozora.gr.jp/cards/000067/files/53620_44262.html
)
青空文庫の奥付
底本:「萩原朔太郎全集 第三卷」筑摩書房
1977(昭和52)年5月30日初版第1刷発行
1986(昭和62)年12月10日補訂版第1刷発行
入力:kompass
校正:小林繁雄
2011年6月25日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、
青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)
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