秋日行語
〔ちまた、ちまたを歩むとも〕
萩原 朔太郎
ちまた、ちまたを歩むとも
ちまた、ちまたに散らばへる
秋の光をいかにせむ
たそがれどきのさしぐめる
我が愁をばいかにせむ
捨身に思ふ我が身こそ
びいどろ造りと成りてまし
うすき女の移り香も
今朝の野分に吹き散りて
水は涼しく流れたり
薄荷
(
はつか
)
に似たるうす涙
出典:青空文庫(
https://www.aozora.gr.jp/cards/000067/files/53562_44205.html
)
青空文庫の奥付
底本:「萩原朔太郎全集 第三卷」筑摩書房
1977(昭和52)年5月30日初版第1刷発行
1986(昭和62)年12月10日補訂版第1刷発行
入力:kompass
校正:小林繁雄
2011年6月25日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、
青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)
で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
keyboard_double_arrow_left
menu