絶句四章
萩原 朔太郎
色白の姉に具されて。今日もまた昔談や。
あれいま。逍遙うんじて歸る山路。
遠音に渡るかほととぎすの。
つみとりてそぞろ心や
くちづけさはに
願ふは君が髮ぐさ飾るやさし七草。
あかつきや破れし鐘樓に。肩ねびし人と登りぬ
見よ君。指ざす方に日は出らめ。
ああかの野路こそいと戀ひしや。
行きずりの小草の中に。床し小扇
誰がすさみぞや
これ優しぐさ『秋の恨み』と。
出典:青空文庫(
https://www.aozora.gr.jp/cards/000067/files/53548_44191.html
)
青空文庫の奥付
底本:「萩原朔太郎全集 第三卷」筑摩書房
1977(昭和52)年5月30日初版第1刷発行
1986(昭和62)年12月10日補訂版第1刷発行
入力:kompass
校正:小林繁雄
2011年6月25日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、
青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)
で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
keyboard_double_arrow_left
menu