〔夕陽は青めりかの山裾に〕
宮沢 賢治
夕陽は青めりかの山裾に
ひろ野はくらめりま夏の雲に
かの町はるかの地平に消えて
おもかげほがらにわらひは遠し
ふたりぞたゞのみさちありなんと
おもへば世界はあまりに暗く
かのひとまことにさちありなんと
まさしくねがへばこころはあかし
いざ起てまことのをのこの恋に
もの云ひもの読み苹果を喰める
ひとびとまことのさちならざれば
まことのねがひは充ちしにあらぬ
夕陽は青みて木立はひかり
をちこちながるゝ草取うたや
いましものびたつ稲田の氈に
ひとびと汗してなほはたらけり
出典:青空文庫(
https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/53442_43332.html
)
青空文庫の奥付
底本:「新修宮沢賢治全集 第六巻」筑摩書房
1980(昭和55)年2月15日初版第1刷発行
※〔〕付きの表題は、底本編集時におぎなわれたものです。
入力:junk
校正:土屋隆
2011年5月14日作成
青空文庫作成ファイル:
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