〔洪積の台のはてなる〕
宮沢 賢治
洪積の台のはてなる
一ひらの赤き粘土地
桐の群白くひかれど
枝しげくたけ低ければ
鍛冶町の米屋五助は
今日も来て灰を与へぬ。
かなたにてきらめく川や
さてはまた遠山の雪
その枝にからすとまれば
ざんざんと実はうちゆるゝ
このときに教諭白藤
灰いろのイムバネス着て
いぶかしく五助をながめ
粘土地をよこぎりてくる
出典:青空文庫(
https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/53370_43272.html
)
青空文庫の奥付
底本:「新修宮沢賢治全集 第六巻」筑摩書房
1980(昭和55)年2月15日初版第1刷発行
※〔〕付きの表題は、底本編集時におぎなわれたものです。
入力:junk
校正:土屋隆
2011年5月14日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、
青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)
で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
keyboard_double_arrow_left
menu